地球深部探査で迫る! 地球内部構造と火山活動の謎とは?(前編)日本の地殻変動と火山活動の最新研究 - マントル対流、プレート、そして脅威
地球深部の謎に迫る!東北大学と中国科学院の研究グループが、フィリピン海下のマントル構造を最新技術で解明。5000万年前の痕跡を発見し、現在のプレート沈み込みとは異なるマントル対流の存在を示唆。伊豆大島や富士山など、活火山地帯の深部構造解明も目指し、地震・噴火メカニズムへの理解を深めます。海底火山噴火のリスクも明らかに。地球科学の進展に期待が高まります。
💡 東京大学の研究により、マントル最深部の3次元地震波速度の異方性構造を世界最高解像度で推定。過去のマントル対流の痕跡を発見。
💡 東北大学と中国科学院の研究グループは、フィリピン海下の深さ1600キロメートルまでの3次元地震波速度異方性構造を解明。古いマントル対流の痕跡を発見。
💡 伊豆半島は、プレートの沈み込み、マグマ供給、衝突、火山活動など、複雑な地質学的要因が重なり合って形成された特異な場所。
本日は、地球内部構造に関する最新の研究成果と、日本の火山活動が抱える潜在的な脅威についてご紹介していきます。
まずは、地球深部のマントル対流に関する研究から見ていきましょう。
過去のマントル対流の痕跡を発見 - フィリピン海下の深部構造
フィリピン海下のマントルに隠された謎とは?
古いマントルフローの痕跡
本研究では、マントル最深部の3次元地震波速度の異方性構造を詳細に解析し、過去のプレート運動がマントル対流に与える影響を明らかにしました。

✅ 東京大学の研究チームは、独自の地震波解析手法を用いて、北部太平洋下のマントル最深部の3次元地震波速度の「異方性」構造を世界最高解像度で推定することに成功しました。
✅ この結果、約2億年前に地表から沈み込んだ海洋プレートがマントル最深部に到達して折れ曲がり、押しのけた温かい物質からなる上昇流を誘発していることが明らかになりました。
✅ 今回の成果は、地表のプレート運動がマントル最深部の対流運動に影響を与えていることを示唆しており、地球内部の流動や変形の理解を深める上で重要な知見となります。
さらに読む ⇒東京大学理学部地球惑星物理学科・地球惑星環境学科/大学院理学系研究科地球惑星科学専攻出典/画像元: https://www.eps.s.u-tokyo.ac.jp/focus20210620/マントル最深部での沈み込みプレートの折れ曲がりや、上昇流の誘発など、興味深い結果が出ていますね。
地球内部のダイナミズムを理解する上で、非常に重要な手がかりとなりそうです。
東北大学と中国科学院の研究グループは、最新の地震波トモグラフィー法を用い、フィリピン海下の深さ1600キロメートルまでの3次元地震波速度異方性構造を解明しました。
その結果、マントルの中部と下部に、現在のプレート沈み込みとは無関係の異方性構造を発見しました。
この異方性構造は、約5千万年前の太平洋下部マントルフローの残り物であると考えられています。
具体的には、フィリピン海プレート中心部下のマントル中部には、南北方向のP波異方性が見られ、これは現在の沈み込みプレートとは関係なく、約5千万年前の太平洋下部マントルフローの残り物であると考えられています。
また、深さ700-1600kmの範囲に二つのP波高速度異常体が検出され、これは以前沈み込んだイザナギプレートの残骸であると考えられています。
この残骸には、北西-南東方向のP波方位異方性が見られ、約4千万年前の太平洋下部マントルフローを反映している可能性があります。
これらの結果は、マントルの中部と下部にも、現在のプレート沈み込みとは関係のない、古いマントル対流の痕跡が存在することを示唆しています。
今後、このような研究を世界の他の地域に展開することで、地球内部の構造・進化とダイナミクス、そして地震・噴火の根本原因に関する理解が大幅に進展することが期待されます。
なるほど、プレートが沈み込むと、そんな風にマントルに影響を与えるんですね!まるで巨大な地下水脈みたいだ!ロマンがありますね!
火山活動と地震活動のメカニズムを探る - フィリピン海プレート北縁の深部構造
フィリピン海プレート北縁の火山活動と地下構造の関係は?
マグマ移動と地震活動が密接に関連
伊豆半島が、様々な地質学的要因が重なり合って形成された場所というのは、興味深いですね。
まさに地球のダイナミズムが凝縮された場所と言えるでしょう。
公開日:2025/05/21

✅ 日本列島は、かつてユーラシア大陸の一部でしたが、約2500万年前からプレートの沈み込みの影響で大陸から分離し、現在の形になりました。
✅ 伊豆半島は約2000万年前に現在の硫黄島付近で海底火山群として誕生し、フィリピン海プレートに乗って北上、約100万年前に本州に衝突して陸地となりました。
✅ 伊豆半島は、プレートの沈み込みによるマグマ供給、本州との衝突、火山活動など、複数の地質学的要因が重なり合って形成された、世界でも稀に見る特異な場所です。
さらに読む ⇒南から来た火山の贈りもの伊豆半島ジオパーク出典/画像元: https://izugeopark.org/about-izugeo/intro/伊豆大島や富士山など、活火山が多い地域での研究が進められているのですね。
マグマの動きや地震活動との関係が解明されることで、火山活動の予測に役立つかもしれません。
本研究は、フィリピン海プレート北縁における地殻構造と火山深部構造を解明することを目的としています。
特に、伊豆大島、伊豆東部、富士山等の火山活動が活発な地域に焦点を当て、地震探査、電磁気探査、重力探査などの手法を用いて、マグマ移動に伴う火山性地震や群発地震の活動度と深部構造の関係を明らかにすることを目指しています。
具体的には、伊豆大島では、海陸合同の人工地震探査を実施し、深さ4km付近の浅部と深さ10km付近の深部のマグマ分布を検出します。
伊豆半島東方沖群発地震活動では、過去の観測データを再解析し、マグマ貫入深度が2つのグループに分かれることを検証します。
富士山では、東西方向の電磁気構造探査により深さ25km以深に低比抵抗領域が存在するモデルを検証し、その広がりと深部低周波地震との関連を明らかにします。
これらの研究を通して、火山活動と地震活動の相互作用、マグマ蓄積と噴火準備過程に関する新たな知見を得ることが期待されます。
伊豆半島って、そんなに色々な要素が詰まっている場所だったんですね。まるで地質学のテーマパークみたい!研究が進めば、もっと色々なことがわかるようになるのが楽しみです!
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日本には多数の活火山が存在し、噴火リスクは常に潜んでいます。特に伊豆・小笠原の海底火山は要注意!過去の噴火を教訓に、警戒を怠らず備えましょう。