ゴヤの『黒い絵』とは？- 狂気と苦悩を描いた画家、その謎に迫る？『黒い絵』：ゴヤが描いた暗い世界

さて、今回はゴヤの代表作である『黒い絵』について、その謎に迫っていきましょう。

天才画家の苦難

ゴヤの人生における苦難と、『黒い絵』の制作背景について見ていきましょう。

作品解説】フランシスコ・デ・ゴヤ「黒い絵」

公開日:2018/05/29

✅ 「黒い絵」シリーズは、ゴヤが晩年に自身の家に描いた14点の装飾用絵画であり、人類に対する悲観的なビジョンや狂気に対する恐怖、不安定な時代の政治状況などを表現している。

✅ 作品は、特に「我が子を食らうサトゥルヌス」や「魔女の夜宴」のように、神話や宗教、歴史的なモチーフを借用しつつ、ゴヤ自身の内面や当時の社会状況を反映した、暗く重厚なイメージで描かれている。

✅ 「黒い絵」シリーズは、ゴヤが自身の家で個人的に描いた作品であり、シュルレアリスム絵画の先駆けとして評価されることもある。作品は、家の壁に移され、現在プラド美術館で所蔵されている。

さらに読む ⇒アートペディア出典/画像元: https://www.artpedia.asia/black-paintings/

ゴヤの苦悩が色濃く反映された作品群なのですね。

耳が聞こえなくなったというのは、画家としての活動にも大きな影響があったのではないでしょうか。

フランシスコ・デ・ゴヤは、18世紀後半から19世紀前半にかけてスペインで活躍した画家です。

彼はスペイン王室の宮廷画家として成功を収めましたが、晩年には政治的な混乱や個人的な苦難を経験し、その苦悩が「黒い絵」シリーズに反映されています。

ゴヤは、1793年頃に原因不明の大病を患い、聴力を失いました。

その後も、ナポレオン戦争やスペイン王室の混乱など、政治的な不安定さを目の当たりにしました。

こうした苦難が、ゴヤの芸術に暗い影を落とすことになるのです。

聴覚を失うなんて、想像を絶する苦しみですね。それが絵に影響を与えたというのも興味深いです。暗い影が差している、というのはゾクゾクしますね！

「黒い絵」誕生秘話

「黒い絵」がどのようにして誕生したのか、詳しく見ていきましょう。

ゴヤ『黒い絵』

公開日:2017/12/14

✅ フランシスコ・デ・ゴヤは1819年に「聾者の家」と呼ばれる別荘を購入し、その食堂とサロンに14点の壁画を描きました。

✅ これらの壁画は「黒い絵」と呼ばれ、神話、聖書、民衆の行事などを題材としています。

✅ これらの壁画は現在、プラド美術館に所蔵されています。

さらに読む ⇒西洋美術と日本の美術館出典/画像元: https://paradjanov.biz/japan/baroque/784/

ゴヤが自宅の壁に直接描いたという点が、非常に興味深いですね。

精神世界を表現した作品として、どのような意図があったのでしょうか。

晩年のゴヤは、マドリード郊外の家で創作活動を続けました。

そこで、家の壁に直接絵を描いたのが「黒い絵」です。

このシリーズは、ゴヤの精神世界を反映したもので、人間の弱さ、死、狂気などをテーマとしています。

「黒い絵」は、1874年に壁から剥がされ、現在プラド美術館に収蔵されています。

壁から剥がす作業は、ストラッポという技術で行われましたが、この作業によって作品が損傷したとされています。

その後も、大掛かりな修復作業が行われ、その結果、オリジナルの「黒い絵」は失われてしまいました。

直接壁に描くというのは、まるで日記を書くような感覚だったのかもしれませんね。それが今、美術館で見られるというのは、不思議な気持ちになります。