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ゴヤの『黒い絵』とは? 晩年の苦悩と社会風刺を描いた作品群を徹底解説!フランシスコ・デ・ゴヤの晩年作品『黒い絵』

スペインの巨匠ゴヤ。宮廷画家から激動の時代を経て、晩年の「黒い絵」は、人間の業や社会への痛烈な批判を暗い色彩と強烈な表現で描き出した。王侯貴族の肖像画から、異端視された「裸のマハ」、そして狂気と絶望が渦巻く「我が子を食らうサトゥルヌス」まで。その革新的な表現は、シュルレアリスム絵画を先駆けたとも。ゴヤの魂が宿る衝撃作群を、プラド美術館で体感せよ。

ゴヤの『黒い絵』とは? 晩年の苦悩と社会風刺を描いた作品群を徹底解説!フランシスコ・デ・ゴヤの晩年作品『黒い絵』

📘 この記事で分かる事!

💡 ゴヤの『黒い絵』は、晩年のゴヤが自宅の壁に描いた暗い色調とテーマを持つ14点の連作です。

💡 代表作には「我が子を食らうサトゥルヌス」など、人間の狂気や苦悩を描いた作品が多く含まれます。

💡 ゴヤの『黒い絵』は、シュルレアリスム絵画の先駆けとも言われ、後の芸術に大きな影響を与えました。

本日はゴヤの『黒い絵』について深く掘り下げていきます。

次はいよいよ、その詳細について見ていきましょう。

ゴヤの生涯と「黒い絵」

ゴヤはどんな時代を生きたの?

混乱の時代

本日は、ゴヤの生涯と、その中でも特に異彩を放つ『黒い絵』についてご紹介します。

作品解説】フランシスコ・デ・ゴヤ「黒い絵」

公開日:2018/05/29

作品解説】フランシスコ・デ・ゴヤ「黒い絵」

✅ 「黒い絵」シリーズは、ゴヤが晩年に自宅の壁に描いた14点の装飾用絵画であり、暗い色調と憂鬱なテーマで知られています。特に有名な作品は「我が子を食らうサトゥルヌス」で、ギリシャ神話の神々が持つ恐怖や不安を描いています。

✅ シリーズはゴヤの個人的な内面を反映しており、ナポレオン戦争やスペイン内戦、自身の病気など、様々な苦悩が作品に表現されています。また、宗教的風刺や市民戦争などの要素も含まれており、当時のスペインの不安定な状況を暗示していると考えられます。

✅ 「黒い絵」シリーズは、シュルレアリスム絵画の先駆けとされ、ゴヤの晩年の精神状態や社会に対する批判精神が見て取れます。自宅の壁に直接描かれた作品は、ゴヤの死後、キャンバスに移され、現在ではプラド美術館に展示されています。

さらに読む ⇒アートペディア出典/画像元: https://www.artpedia.asia/black-paintings/

晩年のゴヤの精神状態や社会に対する批判が色濃く反映された作品群ですね。

それぞれの作品に込められた意味を深く理解することで、ゴヤの芸術をより深く味わうことができるでしょう。

フランシスコ・デ・ゴヤは、18世紀後半から19世紀にかけて活躍したスペインの画家で、宮廷画家として大出世を遂げながらも、フランス革命やナポレオン侵略など、混乱の時代を生き抜き、その経験を絵に描き続けました。

特に晩年の「黒い絵」と呼ばれる作品群は、ゴヤ自身の苦悩や当時の社会に対する痛烈な批判を表しており、その暗鬱で衝撃的な表現は、後の芸術に大きな影響を与えました。

なるほど、ゴヤの人生経験がこんなにも作品に反映されているんですね!特に「我が子を食らうサトゥルヌス」は、一度見たら忘れられないインパクトがあります。

権力と虚飾を暴く肖像画

ゴヤは肖像画で何を暴いた?

権力と虚飾

ゴヤは、宮廷画家として権力者たちの肖像画を描きながらも、彼らの本質を鋭く見抜き、作品に表現しました。

ゴヤとナポレオン5ゴヤ(2)「カルロス世の家族」
ゴヤとナポレオン5ゴヤ(2)「カルロス世の家族」

✅ ゴヤは優れた現実感覚を持ち、権力者を痛烈に諷刺しながらも、宮廷画家の地位を築き上げました。

✅ ゴヤはカルロス4世の首席宮廷画家となり、王家の肖像画を描きました。中でも「カルロス4世の家族」は、王族の醜さと愚かさを写実的に描いた作品として知られています。

✅ ゴヤは王族の肖像画を通じて、彼らの素顔や内面を透視力によって描き出し、彼らの欺瞞を明らかにしただけでなく、スペイン・ブルボン王家の崩壊を予感させる作品を残しました。

さらに読む ⇒粋なカエサル出典/画像元: https://julius-caesar1958.amebaownd.com/posts/7792467/

肖像画を通して、当時の権力者たちの虚飾を暴き、社会を風刺する表現は、非常に興味深いですね。

ゴヤの内面の葛藤も感じられます。

ゴヤは、王侯貴族たちの肖像画を通して、彼らの本質を鋭く描き出し、その権力や虚飾を暴きました

例えば「カルロス4世の家族」では、国王や王妃の虚ろな視線、愛人ゴドイの影響力、そしてゴヤ自身の観察者としての存在が示されています。

また、ヌードのマハを描いた「裸のマハ」は、当時のスペイン社会におけるカトリック教の厳格な風紀に対する挑戦であり、ゴヤは異端審問にかけられるほどの騒動を引き起こしました。

宮廷画家の地位を確立しながらも、このような作品を描いたゴヤの二面性、そしてその作品が現代にも影響を与えていることに大変興味を惹かれます。

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ゴヤ晩年の傑作「黒い絵」。狂気と絶望、人間の業を描き出した14作品は、シュルレアリスムの先駆け。暗い色彩と歪んだ表現で、魂を揺さぶる。